動物のおしごと

おしごとファイル

動物衛生看護師
塩谷明美さん
(AHT,PGS,CDT取得)

1988年 ヤマザキカレッジ(現 ヤマザキ動物専門学校)卒業
現在 獣徳会 動物医療センター 看護部長

http://www.md.ccnw.ne.jp/jutokukai/

どんな子ども時代をお過ごしでしたか?

学校で遊ぶより、家で動物といっしょにいる方が好きな子どもでした。小さい頃は鳥が好きで、小学校の文集には「小鳥屋さんになりたい」と書いてあります。お祭りの屋台で売っているようなヒヨコを、ちゃんと大人にしたり、自宅飼っていたチャボの親鳥が途中で暖めるのをやめてしまった卵を雛に孵してあげたり...動物の世話は、子どもの頃から好きでした。鳥の子どもは生まれて最初にみたものを親と思う、と言いますよね。家のチャボもいつも私の後をついて来て、とてもかわいかったですよ。

では、進路はいつ、どのように決められたのですか?

中学生のときは漠然と「獣医さん」になりたいと思っていました。 高校卒業時も、やはり動物の看護に関わる仕事に就きたいと考えていました。いまから23年前のことになるのですが、その頃は動物についての学校は今のように多くはありません。最終的に二校にしぼり、そのうち、資格が取れる東京の学校(現ヤマザキ動物専門学校)を選択しました。世間では、まだ動物の病院についての情報がそれほど多くなかった頃でしたし、「資格」というのは非常に大切だと、高校生なりに思ったのです。

学校での勉強は、知識、実習、動物に関わる仕事の現場で働く先生のお話など、全てが現在の仕事に役立つことだったと思います。 特に印象に残っているのは、前学長がよくおっしゃっていた 「動物衛生看護士は女性が自立できる職種となり得る。養われるのではなく、自分自身が自立して生きていこう。」 ということばです。仕事をしている中でも、このことばを思い出しますと勇気づけられます。 また、自分が学んだ母校が現在も発展を続け、動物衛生看護の業界の発展に寄与していることは、私自身にとって大きな励みとなっています。

獣医の仕事以外すべてが動物衛生看護士の仕事

就職した当初から比べると、私自身目指すものがかなり変わって来ました。 動物衛生看護士の仕事は、獣医のサポートですが、単なる「手伝い」とは全く異なります。 獣医の仕事には、診断、手術、処方、があります。動物衛生看護士は「それ以外の全て」と考えればよいと思います。

患者さんを診察台にのせ、検査を実施し、結果を獣医の先生に報告し、先生の処方通り薬を作って出し、飼い主さんにご説明し、相談ににのる.... 診察の流れの中で、一応のことができるようになると、獣医の次の動きが予想できるようになります。就職して3年間ほどは、とにかく病院の仕事を覚え、スムースに動き、役に立つこと。なんとかそれを実現するために夢中で過ごしました。10年くらいは、そのスタンスで過ごして来たと思います。

現在のテーマは「飼い主さんの心のケア」

現在は一線を退き、管理職の立場におります。患者さんだけではなく、飼い主さんと向き合うことを、日々仕事に取り組んでいます。 動物の幸せは飼い主さんの幸せです。動物を飼うことで、飼い主さん自身が生活をがまんしたり、一人で悩まなくてよいように、私たちのところに気軽にいらしていただけたら、と思うのです。 病院を、病気の時だけではなく、飼い主さんが気軽に何でも相談できる場所に。 しつけやグルーミングのご指導、またご旅行の時にはお預かりも行っています。

また最近は、未来の飼い主さん、ということで、保育園などにも動物を連れて行き、ワンちゃんとの接し方、というようなレクチャーを行っています。ワンちゃんとは、こんな風に接するのよ、ワンちゃんはこういうことはいやがるのよ、と具体的にお話しすると、とても一生懸命聞いてくれます。子どもは本当に素直ですね。

こんな風に、これからは、動物といっしょに暮らす方、動物に関わる方、そしてもちろん動物自身、みんなが幸せになるために働いていきたいと思っています。

動物衛生看護士の仕事は「重い仕事」です

動物の衛生看護の仕事につきたい、と思っている方は、年々増えていると聞いています。私も高校生の頃はみなさんと同じ様に、動物に関わる仕事がしたいと思っていただけでしたが、専門学校で学ぶうちに、それだけではない、ということを知りました。

動物衛生看護士の仕事は、動物が好きだから、というだけの動機ではなかなか続けていくことが難しいと思います。

動物の命を預かり、飼い主さんの心のケアも考えていく、とても重い仕事です。労働時間も短くはなく、仕事の内容も、体力や精神力を必要とされる、とてもハードなものです。軽い気持ちで就職した方は、2〜3年でやめてしまう、という現実もあります。 獣医と連携し、どうしたら動物と飼い主さんが幸せになれるか、ということを真剣に考えることができる方に、この仕事に進んでいただきたいと心から思います。

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