動物のおしごと

おしごとファイル

第一三共RDアソシエ株式会社
高橋 紗也子さん

2002年 学校法人ヤマザキ動物専門学校卒

(職歴)
卒業と同時に第一製薬関連会社入社 2005年三共株式会社と第一製薬株式会社との経営統合に伴い 第一三共RDアソシエ株式会社に移籍、現在に至る http://www.daiichisankyo-rda.jp/

(資格)
動物衛生看護師/実験動物取扱技術師
(AHT,PGS,CDT取得)

現在のお仕事についた経緯を教えてください。

子どもの頃から、理科や化学の実験が好きでした。工作や料理、細かい作業も得意な方だったと思います。一人で作業をするのが好きな、どちらかと言えば人見知りな性格だったのですが、犬を飼い始めてお散歩に行くようになって、自然といろんな方とお話をするようになりました。元々動物好きだったこともあり、将来はペット関連の職種を、と考えて、高校卒業後動物の専門学校に進みました。

今の仕事につながる教科として思い出すのは、「臨床検査」の授業です。 動物の体の状態を把握するために行う、血液検査、糞便検査、尿検査などの検査方法を学ぶ授業なのですが、検査の手順、結果の分析方法など、私にはとても興味深く思えました。学生時代から、今と同じようなことに深く興味をもっていたのだなと思います。 もっと勉強して臨床検査技師の資格を取得したい!と、大学編入も考えることもありました。

就職の時期には、ある動物病院に研修に行かせていただきました。研修が進んで行くうち、その病院、院長先生の考え方を私はとても尊敬するようになり、勉強を続けるのではなくその病院に就職したい!と、就職の方に心を決めたのですが、病院には人員の空きがなく、研修後、別の就職先を探すことになってしまったのです。 そんな中で「実験動物の飼育管理」という求人に出会いました。名称の通り、実験動物の飼育管理をする仕事です。すぐに会社の説明を聞きに行き、興味を持ち、面接を受けたところ、会社の方でも「ぜひ」と言ってくれ、そのままトントン拍子で就職することになりました。 卒業後から今に至るまで頑張って働いています。今年で就職して7年目になります。

お仕事について教えてください。

私が在籍しているのは製薬会社の関連会社です。入社当時は「飼育管理」の仕事についていましたが、1年ほど勤めたころ、実験を担当したいと考えるようになりました。実験の仕事は適正が必要とされる職種なのですが、私は幸いなことに望みが叶い、上司に推薦を得て異動することができました。

現在は主に薬効薬理スクリーニング実験をしています。薬効薬理スクリーニングとは、動物に投薬を行い、多くの化合物の中から新しい医薬品として有効な化合物の評価を行う仕事です。
実験がある日は、朝会社に出勤して、実験の準備をし、動物の体重測定、投薬、投与、採血などを行い、実験、測定、と進めて行きます。一日に複数の実験を行う日もあります。測定結果をパソコンで表にまとめたり、グラフにしたり、という仕事も担当します。
多くの実験結果を元にし、非常に長い期間を経て、薬は開発されます。一つの薬で開発期間は7〜8年、それ以上かかるものも多くあります。私自身はまだ、自分が関わった実験が薬として製品化された経験がありません。その日がきたらきっとうれしいだろうな、と思います。

勤務時間は、一般の会社員の方と同じように、定時があり残業手当もつきます。お休みも多く、ボーナスもきちんと出ますし、福利厚生や育児休暇等、きちんとした制度が整っていますので、先輩にも産休をとって出産後も長くつとめている方がたくさんいます。
女性が非常に多く、女性にとっては長く働ける職場環境だと思います。
また仕事がら製薬会社の方や、医療従事者の方々との交流が多く、仕事以外の時間も、楽しく充実した毎日を送っています。

仕事の中で大切にしていること

実験の仕事には、正確さが要求されます。薬を作るための大切な評価ですので、慎重に慎重を重ねて実施しなければなりません。 はじめの頃は先輩について、実験のやり方を一から教わり、練習もしました。 今はとにかくミスをしないことを最も重要に考えています。体調が悪いと、動物のにおいがつらくなってしまうなど、仕事に影響が出てしまうので、体調管理にも常に気を使っています。
それでも万が一ミスを出した場合は、隠さず、すぐに他の人に伝えるようにします。
ミスの影響を最小限にくいとめ、常に正しい情報を出すこと。これは製薬会社の社会的な責任と考えています。

技術と同時に、知識を増やしていくための勉強も日々必要です。
学校で習った内容、「臨床検査」「微生物学」「解剖学」「薬理学」「病理学」などは、仕事に直結していて、学校で勉強していてよかった!と思うことが多いです。今でもわからないことがあるとノートをめくって参考にしたり、しっかり活用しています。
資格試験の勉強もしています。資格の取得は必須というわけではないのですが、高位の資格を取得していれば、それだけ幅広い業務に携われるようになるので、可能な限り難しい資格にも挑戦したいです。
仕事をしながらの勉強は大変な面もありますが、勉強をしたい、という意思表示をすれば、上司もそれを尊重してくれます。学会などでの発表の機会もあり、意欲的に仕事に励むことのできる恵まれた環境で働けることに感謝しています。

動物愛護の仕事につかれている方の中には、動物実験という仕事に対して、非常に悪いイメージを持っている方も多くいらっしゃると思います。でも実験の仕事は、動物が好きでなければ絶対にできない仕事だと思うのです。なぜなら毎日動物とふれあうからです。愛情を持って大切に扱う気持ちがなければ実験はできません。医薬品関連の仕事についている人たちに、動物を無碍(むげ)に扱う人はいないのです。

私たちの仕事は病気を抱えて新しい薬を待つ患者さんや医師の方々、未来を生きる人たちのために、必要で重要な仕事だと、誇りをもって働いています。
自分の技術に満足することなく、向上心をもってこれからも頑張って行きたいとも思っています。
仕事で関わった薬が人の命の役に立つ製品になることが、今の私の夢です。

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