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専攻科論文

計測から見たイヌ体躯構成の法則性

専攻科 石野淳嗣

-概要-

問題:
今日、イヌには400種を超えるとも言われる品種が存在し、人間の生活に溶けこんだ長期にわたる選択交配の歴史がうかがえる。しかし、特徴的な個体を作出、維持することは難しく、近親交配を繰り返すことによって特徴を維持しているのが現実である。特徴的な個体を維持することが難しいのは、イヌの体躯構成にはある程度の法則性が存在するためとも考えられる。
方法:
計37頭のイヌにおいて体高、体長、頭長、頭蓋幅、頸長、肩長、胸深、胸囲、寛骨長、飛節高、尾長の計11ヶ所を計測し、各部位間の相関、比率、および比率の相関を求めることにより、イヌの体躯構成の法則性を調べた。
結果:
比較した各部位すべてにおいて高い相関係数が得られたが、頭蓋幅においては、尾長との相関を除き、他部位よりも相関が弱かった。各部位の比率では比較的小さな分散値が得られ、各部位間の比率にある程度の法則性があることが示唆された。また、体高と体長は、1:1に近いもの、体長が体高を大きく上回るものは見られたが、体高が体長を大きく上回ることはなかった。体高より体長が長い、俗に言われる短肢長胴タイプは、他の部位との比率に照らして、体高のみが小さくなっていることから、主に肢が短くされたものと考えられる。
考察:
比率の相関からは、各部位の変化率の違いが示唆された。変化率を大きいものから順に並べると、尾長>>体高>>胸深>頭長・肩長>頸長・寛骨長・飛節高>胸囲>体長>>頭蓋幅という結果となった。以上により、体躯構成にはある程度の法則性が認められ、このことは家畜化以前の自然選択及び家畜化以降の人間の手による選択繁殖の歴史を示唆した。

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