活動の紹介

専攻科論文

市販アガロースゲルを用いたイヌおよびネコの血漿蛋白電気泳動

ヤマザキ動物看護短期大学 専攻科
田辺梨恵

-概要-

問題:
血漿(血清)蛋白電気泳動によって得られる血漿(血清)蛋白分画の変動からは、様々な病態の把握ができる。分画像のみでの診断は難しいが、血液生化学検査や臨床症状などと併せて評価をする事で、重要な情報を提供してくれる。獣医領域においても血漿(血清)蛋白電気泳動の応用もあるが、現状は外部の検査センターに依頼している場合がほとんどであり、診断や病態把握への利用もごく一部に留まっている。すなわち、獣医臨床の現場において、血漿(血清)蛋白電気泳動および分画像の読み取りに動物看護師が携わる機会もほとんどないものと考えられる。本課題研究においては、検査方法から結果に至るまでの理解を深める目的で、用手法による血漿(血清)蛋白電気泳動を実施した。なお、獣医臨床の場を想定し、使用する支持体は市販のアガロースゲルを用い、ルーチン的に行えるものであるかの検討も行った。
方法:
検体はS動物病院およびN動物病院に協力をいただき、検査終了後に出た余剰分のイヌおよびネコの血漿(血清)を分与していただいたものを使用した。電気泳動時に使用する支持体は、株式会社へレナ研究所のヒト用アガロースゲルを用いた。
結果:
市販アガロースゲルを支持体に用いる血漿(血清)蛋白電気泳動の用手法は、操作が簡便かつ、短時間で泳動が可能であり、同時に複数の検体を泳動する事が可能であった。さらに、従来用いられてきたセルロース・アセテート膜に比べ、分離が良好であった。特にネコでは、β分画が2分画に分離され、分離が良いという結果が得られた。以上から、獣医臨床の場においてもルーチン的に十分な検査実施が可能である事が推察される。
考察:
本課題研究においては、得られた分画像および分画値は、過去の報告を参考に基準値を設定したが、本来は健康なイヌおよびネコの血漿(血清)を用い、年齢軍や生活環境軍に分類し、本法による基準値を設定する必要があった。その為、獣医臨床の場に応用する場合は、施設ごとに基準値を得る事により、診療への応用価値が一層高くなると考えられる。

ページ上部に戻る