活動の紹介

専攻科論文

動物介在活動の発展性についての一考察
―アンケート調査を基に考える―

ヤマザキ学園大学 研究生

-概要-

問題:
現代社会において、人間は様々なストレスに曝されており、精神的にも身体的にも何かしらの不安や悩みを抱えている。しかし、愛玩動物である犬や猫が存在すると、なんとなく穏やかな気持ちになる。日常生活で動物と接したり世話をすることで、精神的なストレスや緊張が緩和されたような感触をもつ人も少なくない。少子高齢化が進む日本においては、今後ますます動物介在活動の必要性が高まると考えられることから、その有用性についてデイケアプログラムを一例として検討することにした。また、動物介在活動認知度についてのアンケート調査を実施し、それを基に動物介在活動の発展性について考察する。
方法:
東京都多摩総合精神保健福祉センターのデイケアプログラムの一部に組み込まれている動物介在活動に参加し、動物介在活動の実際と、参加者の心理的変化を観察した。また、動物介在活動がどのように認識され、今後どのような期待をもたれているかについてアンケート調査を実施した。調査対象として、東京都多摩総合精神保健福祉センターのデイケアスタッフ14 名、一般38 名、ヤマザキ学園大学3 年生・研究生及び卒業生118 名にアンケートを依頼。
結果:
デイケアプログラムにおける動物介在活動では、殆どの参加者が動物との触れ合いを楽しみ、自己の感情を豊かに表現し、同時に犬から癒しを得ている様子が伺えた。また、プログラム経験者が初参加者に犬の散歩のコツを教えていたことから、他者への思いやりと自分に対する自信が覗えた。更に、参加者自ら犬に関す講師に質問、更に犬について知識を付けたいという意欲と積極性を見せていた。プログラム終了後も、犬を触りに来たり、写真を撮りに来る人がおり、能動的に行動する様子が見られた。

アンケート結果からは、回答者の多くが何らかの動物、特に犬を飼っており、全ての回答者が動物には人を癒す力があると考えていることが分かった。また、動物介在活動に対する社会の関心度は高く、マスメディアから情報を得ている人が多かった。そして、「動物といるだけで和やかなムードになる」、「コミュニケーションを取りやすくなる」といった良いイメージを持つ人が多く、動物介在活動は社会から肯定的に捉えられているようだ。デイケアの実態を知る全てのデイケアスタッフも、動物介在活動はデイケアに向いていると感じていることから、動物介在活動が社会により広く進められることに問題はないと考えられる。ただし、「動物が苦手な人には向いていない」「動物による事故が心配」など、否定的な回答も見られた。特に、動物についての知識が豊富な回答者の場合は、安全面や衛生面、動物が受けるストレスなどのマイナス面について懸念する傾向が見られる。
考察:
デイケアプログラムにおける動物介在活動では、参加者に癒しを与え、積極性を引き出し、自信を持たせるという有用性があることが観察出来た。私自身が目の当たりにした参加者の楽しそうな姿や犬と別れを惜しむ姿、そして参加者の「動物といると時間が過ぎるのが早く感じる。」という言葉からも、動物への強い興味や愛着心を感じ、このプログラムの有用性は充分にあると考えられる。アンケート結果からは、全ての人々が動物は癒しを与える存在であると認識しており、動物の存在に意義を感じていることが分かった。更に、動物介在活動に対する関心度と社会からの期待度は非常に高く、動物介在活動の発展は多くの人々の希望と成りえるだろう。よって、人々がより心豊かな生活を送れるよう動物介在活動の存在と有用性が更に社会へと広まり、更に大きく発展していくべきだと考える。

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